今日は快晴だ。私は快晴が嫌いだ。
いつも私を和ませてくれる、雲がない。
『雲ひとつない青空』が好きな人の頭の中を一度覗いてみたいくらいだ。
嫌だ嫌だと思いながら家に帰り着くと、郵便受けに一枚の葉書が入っていた。
ぽかあん、と浮かぶ雲の写真。
裏を見ると、見覚えのある懐かしい文字が目に入った。
春へ
お元気ですか。
私たちはみんな元気でやっています。
一人暮らしにはもう慣れましたか？
みんなとても心配しています。春は人見知りが激しいから。
夏休みには帰ってこられそうですか？
もしよかったら、また顔を見せてください。みんな会いたがっています。
では、風邪など引かないように気をつけて頑張ってください。
追伸
今日、新しい姉弟ができました。
みんな、春の代わりに頑張ると張り切っています。
しばらく葉書を眺めていると、雲が出てきた。
先生へ
葉書をどうもありがとうございました。
ちょうど雲のない日で、雲が見たくてたまらなかったので嬉しかったです。
私は元気です。
学校の人たちもみんな、よくしてくれます。
先日ナナミが来ました。あいかわらず元気で、とても良い子でした。
みんなに会いたいです。
夏になったらナナミと一緒に帰ります。
では、みんなによろしくお伝えください。
先生もお体に気をつけて。
ハル
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