four sec. to dawn

朝起きたら、憎らしいほど晴れていた。

アメリカに行くと言っても、お姉ちゃんの部屋に泊めてもらうことになっているから荷物といえば頼まれた食べ物とか、そんなのがほとんどだった。
いまは荷物チェックが厳しいらしいから足りないものは借りたり買ったりすることにしていたので、一週間も向こうに行くとは思えないほどの小荷物になった。
携帯を開いて、姉にこれから出発する旨など、確認のためのメールを送る。
ちょっと考えてから音にも『ちょっと旅行に行ってくる』とだけ送って、送信完了画面を確認してから電源を落とした。

アズサには、やっぱり言いたくなかった。
言えないんじゃなくて言いたくなかった。

こういうことをして、何の得にもならないことはよくわかってる。
女々しいというか、かっこわるいというか、アズサを傷つけることはあっても何の解決にもならないことはよくわかってた。
そんなことはわかってます、と逆ギレしたいくらいわかってる。
でももうどうにでもなれ、というか。
そのままにしていても袋小路なんだから、いっそのことものすごく悪い方へベクトルを向けてみたらどうだろうかという、ものすごくポジティブなネガティブ行動だなあと自分で何となく思って笑ってしまった。
これぞまさしく自嘲というか。
あーあ、わたしいつからこんなかっこわるくなったんだっけ。
まあ、もともと別にかっこよくなんかなかったけど。
机の上に置いたままになっている、彼から借りたCDは、借りたまま一度もデッキに入れたことはない。
その表面を人差し指でなぞったら、なんか涙が出てきた。
「…おいおい」
泣いたら全部流れて消えそうだったので、必死に楽しいことを考えようとしたんだけど、考えようとすればするほど涙ががんがん出てきてもう放心状態。

すきだよ、
好きだよ、アズサ、

この気持ちが流れてしまわないように、
心の中で何回も何回も何回も何回も、呪文のように繰り返した。

この気持ちが、
見返りを求めるだけの

汚いものに変わるくらいなら、









→three

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